インディアン=スノー=ディ
「鳥ってさ、」

ぼくの平和を
打ち壊すように
彼女は言った。


「私達から見れば
空にいるみたいに見えるけど、
鳥が上を見ると、
きっと上に空があるんだよね。
空って、
どこにあるんだろ。」


ぼくは
空を見るのをやめて、
彼女を見た。


哲学的なことを言っているのか、
見たままを素直に言っているのか、

時々彼女は解らない。


彼女は、空を見たまま呟いた。

「消えた雲は、
どこへいったんだろ。」


そんな風に、
ぼくらの毎日は過ぎて行った。
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