インディアン=スノー=ディ
「夜はさ、
地球が
宇宙に浮かんでるんだなって、
実感するよね。

昼は
雲とか
空とかに邪魔されて
忘れちゃってるけど。」

彼女が言った。


ぼくの中に
その言葉は

夜の空気のように、
しっとりとしみ込んだ。


「だからかな、

たくさん語り合うより、


ちょっとおしゃべりする方が、
うんと解りあえる気がする。」



「夜が好きなの?」

ちえちゃんが隣の彼女を見た。


「んーん。星が好きなの。」

と、
彼女は空を見たままで言った。


ぼくは、
宇宙に浮かんでいる
自分の姿を考えていた。
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