桜涙 ~キミとの約束~


「ずっと感じてたいな。お前の温もり」


そこに、祈りが込められている気がして。

私はリクの手を握り返し微笑む。

そして、リクがそっと微笑み返してくれた刹那──


心臓が


「っ、──ぅっ!」


呼吸が


「小春っ!?」


狂い出した。


ひゅっ、ひゅっという呼吸を繰り返す私を見て、リクは慌ててナースコールを押す。

看護士さんの声が聞こえると、リクが症状を説明してくれて。


苦しくて、苦しくて。

リクの手を強く握る。


「小春、すぐ、すぐ来てくれるから」


コクコクとただ頷き、必死に酸素を求める私の手をリクが両手で包んでくれる。


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