桜涙 ~キミとの約束~


「ベッド、少し借ります」

「ああ」


返事がして、私は椅子から腰を上げるとノソノソと移動して清潔感のある白いシーツに包まれたベッドに潜り込んだ。

自分のベッドとは違う、柔らかな香りもお日様の香りもしない消毒液のような匂いに、ああ、保健室だなと感じながら瞼を閉じる。

なんだかベッドに横になった途端、一気に体がだるくなった気がした。

起きてる時って、知らないうちに気を張ってるのかな……


熱で体力を奪われているのか、すぐに睡魔が襲ってきて。

私は起きたら少しでも楽になっている事を祈りながら、眠りについた──‥







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