もうひとつの恋
もしかしたら出ていってしまったんだろうか?


だとしたら、課長のこの様子にも納得がいく。


自業自得とはいえ、この様子だとあの女性とも上手くいってるとは思えない。


仕事上、二人で行動することも多いため、課長の様子があきらかにおかしいことは、ダイレクトに伝わってきていた。


以前のように冗談を言ってくることもなく、移動中などは心ここにあらずといった状態で、こちらから話しかけても上の空なことが多い。


正直、得意先に二人で出向かなくてはいけないときなどは、どうしていいかわからないことが続いていた。


「はぁ……」


今日もこれから課長と二人で出かけなくてはならない。


はっきりいって気が重かった。


しかし、仕事なんだからそうも言ってられない。


俺は諦めて課長のデスクに向かうと、元気よくいつも通りの口調で声をかけた。


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