鉛の恋模様

呼べよ、と何故か命令口調で言われたけどこいつの名前なんぞ正直どうでもよかった
それに、



「あっ、ヒロトぉ~」

「どこ行くのん~?おしゃべりしよ~」

「悪い、今忙しい」



如何にも脳内にウイルスでもこじらせてんじゃないかって感じのギャル達が奴の名前を甘ったるく呼んでるので、口に出すのもあの光景も文字通り片腹痛い。


あ、断られたからってギャルこっち見んな
先に歩く男が離れたのを見計らって此方に近付く顔面マルモリ香水臭いギャル共。


ちょw、あんたらの悪臭は食後の体に毒なんで、こっちくんのやめてくだせえ




「なんなのこの女~」

「ヒロト独占すんなよなブス」

「………」



相手したくないので無言で風神雷神の間を進もうと思いました。

ええ、思いましたよ。


ですが、よりによって私の肩を握力全開で掴んできたんですよ。

もうこの時点で私の中では傷害罪成立済みのブチギレ金剛君な訳である。

そうなると自然に動くんだなアレが

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