Love Again【番外編集】
〜逃げる女〜

美里

日も落ちかけた夕暮れ時。
薄暗い部屋に私と充の2人きり。



『あはははっ!面白いな!』



「…そうね。」



甘い雰囲気なんて微塵もない。きっといま見てる、バラエティ番組がいけないんだ。



CMに入りさりげなくチャンネルを変える私。



変えた先はちょうど連続ドラマが再放送されていて、私たちとは違って甘〜い雰囲気たっぷりのシーンだった。



ナイス私!!



心の中でガッツポーズする。



それなのに…



『あ、俺そろそろ帰るわ。』



思わずガクッとうなだれそうになりながらも、なんとか耐えて問いかける。



「もう?まだ早くない?」



『いや、俺今日からバイトすることになったんだよ。』



「バイト??何それ?聞いてないんだけど。」



『だからいま話したろ?短期だけど、ちょっと知り合いの手伝いすることになったから。』



「手伝いって…どんな仕事?」



『な・い・しょ。じゃあまたな。会えるとき連絡するから。』



「ちょっ、待って…」



私の制止も聞かずにさっさと帰った充。









また逃げられた。逃げられたって表現もおかしな表現なんだけどさ?



病院で充に“好きだ”と言われてから、そろそろ1ヶ月。



なのに、私と充はHはおろか、キスもなし。それどころか手も繋ぐ素振りも見せない。



付き合ってるというのに、昔と変わらない二人の関係に態度。



これって…どうなの?



付き合ってる…と思ってていいのか?そう疑問を感じずにはいられない。
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