あの日の空模様
「愛梨(あいり)~」
「何?千尋。」

「次の授業なんだっけ?」
「あー、古文www」

「え、古文!?」
「そ。」

「逃げないと!」
「いってらー」

国語は好きだけど古文は苦手な中1の私こと千尋は、
只今古文から逃げるため教室を抜け出しました。

古文の授業の時はいつもサボってるから、
きっと今回の成績は悪い。

だけど、そう逃げてまでやりたくない。
私の中で、古文というものはお母さんたちを思い出してしまう辛いもので、
国語の授業を只受けているだけなのに、
泣いてしまうくらいだ。

だから、、、

理由になってないけれど、
逃げている。

重たい、屋上のドアを開けると、
真っ青な世界が広がった。

涼しい風が吹いていて、
思わず、スカートがめくれ上がりそうになるのを、
手で慌てて抑えた。

ガチャン、

静かにしめたつもりだけど、
予想以上に大きな音がして少しびっくりした。

一番のお気に入りの場所に向かうと、
こっそり入り込んで、

しまっておいた毛布を手に取り、
寝転がった。

いつもの、パターンだ。

国語で古文の時は、
すべてを忘れて眠ることにしている。

これが一番安心する。

毛布を持ってきて、
隠しておくのは悪い気もするけれど、

まぁ、いいだろう。
此処は私のお気に入りの場所で誰も知らないから。
などと、どうでもいいことを考えながら私は眠りについた。
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