朱雀の婚姻～俺様帝と溺愛寵妃～

第二十七話 その後

物の怪の脅威がなくなった平城宮は、平和で穏やかな時を取り戻していた。


物の怪が恐ろしくて暇を貰っていた者達も帰ってきて、宮は日に日に活気づいていった。


柚は物の怪がいなかった頃の平城宮を知らないので、どんどん賑やかになっていく様子を見て最初は驚いていた。


元々豪華な造りだったが、更に絢爛豪華になっていき、磨き上げられた床を見ると眩しいくらいだった。


　柚の命を貰い生き返ることができた由良は、再び柚の侍女となった。


柚を裏切ってしまったことを気に病み、最初は侍女になることを拒んでいた由良だったが、柚からの強い申し入れに押され承諾した。


「わたくしの一生を柚様に捧げます」


　と涙ながらに柚に感謝の気持ちを伝え、これまで以上に熱心に柚の世話をしてくれるようになった。