朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「いいか、暁、よく聞いてくれ。私は確かに暁のことが好きだ。暁と結婚したいとも思っている。でも、こういうことをするのは早すぎると思う」


「余はそうは思わぬ。お互い好きなら何の問題もなかろう」


 暁は必死だった。


ついに想いが実ったのに、またお預けなんて辛すぎる。


「でもこういうことは、お互いの同意があって初めて許されることだ。そうだろう? それとも暁は私の気持ちを無視して無理やりしてもいいと思ってるのか? 帝だから何しても許されると思ってるのか?」


 そう言われると、もはや返す言葉がなかった。


暁は、帝という強大な権力があるからこそ、人々の気持ちを優先させたかった。


全て許される立場だからこそ、慎重に物事を決めるべきだと思い、そう実行してきた。


だから、柚の言葉は、柚が思っている以上に暁の胸にグサリと突き刺さった。


 暁はすっかり意気消沈して項垂れた。


その姿を見て、柚は自分の気持ちが伝わったのだと思い嬉しくなった。


しかし暁はまだ諦めたわけではなかった。


むしろ諦めきれないといった方が正解だ。


それくらい暁は柚を愛していた。


愛しているからこそ、柚が欲しかった。

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