朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「先程の神々しい光を見ただろう。

もう光は消えかかっているが、余はしっかり見たぞ、本物の朱雀を。

強大な力を持つという伝説の神獣。

その朱雀の力を操ることができる唯一の巫女が現れた時、国は子孫代々まで栄え平和が訪れるといわれている。

その伝説の人物こそが、柚なのだ」


 暁の言葉に貴次だけでなく、その家来たちも柚を見る目が変わった。


「いや……ちょっと待て。私はそんな大層なものじゃないし、そんなこと言われても困る」


 戸惑う柚をよそに、暁と貴次は話しを進める。


「分かりました。帝がおっしゃるのなら本物の朱雀の巫女なのでしょう。

しかしながら、朱雀の巫女の待遇はどのようにしたらいいのでしょうか」


「ああ、そのことだが、もう決めてある。柚は余の妃とする」


「はあ!?」


 思わず柚は声を上げた。


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