曇りのち友情、時々恋

聞いて




――――そして、次の日。



「そこ大きく!! もうちょっと!!! そうそうそうっ!!!!」


~♪

学校全体にまで響き渡る、まだばらばらのみんなの合唱。



今日学校に練習をしに来ているのは
あたしたち8組、1組、3組、6組、7組の
5クラスだ。

どのクラスも技術面に関しては全くもってまだ駄目だが、すべてのクラスの合唱から
”絶対に優勝してやる!!”
という熱い魂が伝わってくる。




あたし等だって負けないもんね!!!

絶対に優勝してやるんだから!!!


「さぁ、休憩しましょーう。15分後に再開するから~。」


わーっ、疲れたぁーっ!!!

腕これ結構きっつー!!



ですが・・・


今こそ上杉と喋るチャーンス☆

早く喋りたくてうずうずしてたんだっ♪


「ねぇ、上杉。」

「ん? なんだお前か。」

なんだとはなんだ!!!


廊下に出たあたしたちは冷たい床に腰を下ろした。


「あのさ、どーしても今聞いてほしい話があるんだけど…。」

「あん? 俺に聞いてほしいこと?? こんな俺になんか言ってどうにかなる事なのか?」

「上杉だから言えるのよ!!」

「・・・そんなに言うなら…。 ま、言ってみ? テキトーにしか聞かないけど。」

「ええよ、聞いてくれるだけでいい。」

・・・聞いて。

あたしの今のこの気持ち。

上杉以外には打ち明ける事の出来ないこの気持ち・・・・。


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