え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?




静かに屋上の扉が閉まる。


…あたしと、朝霧の関係が終わった音だ。




…いや、終わるも何も、何も始まってなんていなかったのかも。




でも分かってた。


朝霧の気持ちはいつも、痛いくらいに感じてた。



でもそんな、朝霧がそんな気持ちであたしを包んでくれることが、いつの間にか当たり前になっていて。



朝霧がいつもあたしの隣にいてくれている事が、当たり前になっていて。





「……っ朝霧」






甘えてたんだ。




甘えて、ずっと自分の気持ちに気付こうとしなかった。




朝霧の気持ちにちゃんと向き合おうとしてなかった。





でも。





朝霧にさわられると、信じられないくらいドキドキして



朝霧の笑顔を見ると、どうしようもなく胸が高鳴って




寂しそうな顔を見ると






涙が出そうになるくらい、切ない。






朝霧の隣に、他の女の子がいるのなんて嫌。



朝霧が誰か他の女の子にさわっているなんて嫌。





全部自分がいい。





あたしはいつだって朝霧の隣にいたい。




あたしの隣には、いつだって朝霧がいて欲しい。






ああ。




あたしは、いつの間にかこんなにも









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