エンドレス・ツール
その時、なつの携帯がテーブルの上で震えた。


「だーれだっと……お、噂をすれば」

「え?」

「翔さんからメールやで~」


なつが満面の笑みであたしに携帯を見せてきた。


『今日夜にケイゴと家で飲むんだけど、りーと一緒に来ない?
場所は後ほど。

(ケイゴが一週間会えてないって寂しがってたよ(笑))』


「……って、あんた翔さんとメールしてたの!?」

「合コンの時みんなで交換したんやで。あんたはトイレに長居してて知らんかったんやろ。ケイゴくんのことやで。うちがケイゴくんと付き合えるようになったのも、翔さんが相談乗って仲裁役をしてくれたからやし」

「あたしがいないときにそんなことしてたの……」

「嫉妬すんなや。メールかてケイゴくんのことばっかやし、何より翔さんはうちの趣味とちゃうからな」

「何気に失礼なこと言ったよね……」

「でもあんたを誘ってくるってことは、少なからず翔さん、あんたのこと悪いとは思ってないで」


なつがまたにやっと笑ってきた。


……まあ、嬉しくなくはないけど。


< 45 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop