恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*

恋の病



結局、先輩に彼女がいるのかどうなのかは聞けず仕舞。

ただ、いつもの計算としか思えない笑顔とセリフにドキドキさせられただけ。


……あたし、絶対やばい。



「山岸と上手くいってんの?」


昼休み、窓から空を眺めていたあたしに仁美が言った。


「偽装だって知ってるくせに変な事聞かないでよ」


山岸と偽装恋人を演じる事になった事は、仁美にだけ話していた。

毎朝一緒に登校しても、クラスの子達はあたし達をそんな風には見ていないみたいだし、だったら、わざわざ説明する必要もないし。


どんなに仲がよくても、友達止まり。

間違っても付き合う訳がない。


山岸のキャラのせいか、そんな見方がほとんどだった。



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