恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


後悔しか浮かばない。


成功するどころか、呼び捨てにされる屈辱っていう、心の底からいらないお土産までもらっちゃうし。

分は悪くなる一方だ。


相沢先輩の勝ち誇ったような微笑が頭から離れなくて、ため息を落とす。


「……なんか、何やっても勝てる気しない。

例え、戦闘機とか借りられたとしても勝てる気がしない……」

「無理だって、会長相手じゃさー。会長って教師にも一目置かれてるし。

しかも行事の予算とかも全部会長が決めてるって話だし。

この学校の決定権は校長と会長で2分してる感じだな。

“長”がつくだけに」


うんうん、とまるでうまい事言ったと自分を誇るように頷く山岸。

突っ込むのも嫌になって冷たい視線だけ送っていると、山岸の言葉を完全に無視した仁美が言う。




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