星に願いを
2年後


―2年後―




「すみませ~ん」


健康管理室の看護師・畠山に呼ばれ、星子は駆け寄った。


「営業2課の小山内さんがいらしてます。」


「はいどうぞ」




星子は悠と離れてから、資格を取った。


それは「産業カウンセラー」


働きながら通信教育で学び、資格を取った。


2年前相談員の田中が、「僕はいずれ定年退職する。その後は君がここを守らなきゃ。だから何らかの資格を取りなさいね。」と。


まずは産業カウンセラーになり、いずれは臨床心理士を目指して大学院にも通って…。


この先何があるかわからないけど、とにかく上を目指して。


夢を夢で終わらせないように。


そう思えるのも、田中と出会ったからと感じる。


あの時、星子の夢を聞いた田中が背中を押してくれなかったら、夢で終わっていたかもしれない。


悠と離れたことが後押しにもなった。


勉強に集中することで寂しさを紛らわせられたから。


働きながら資格を得ることは簡単ではないことはわかっていた。


でも悠が遠いアメリカで頑張っているのだから、私もそれに応えたい。


その想いだけでがむしゃらに突き進んでこれた。








< 125 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop