星に願いを
決断



色々と考えた末、病院を辞め㈱漆原に転職することに決めた星子。


決め手は、『心理療法士』


今からでも遅くないのであれば、やはりチャレンジしたい。


働きながらだから時間はかかるかもしれない。


でも今の環境より、更に環境が整えばチャンスは広がる。





何より、長年の小さな小さな思いが心を揺るがせた。


あの頃のお母さんのような、苦労して頑張って働いている人を支えたい。






そしてもう一つ



―君にここにいて欲しいー





あの時の悠の言葉が、妙に胸の奥に突き刺さった。







星子の退職に、婦長さんはとても残念がり中々OKがもらえなかった。


しかし、希望に胸を膨らませる星子に、最後は応援するよとエールをくれた。



(私、本当に幸せだ)


皆に支えられて今ここに生きていると、改めて実感をして涙が滲んだ。






それから約1カ月後、病院を退職した。



そして、一日も早く慣れ親しんでほしいとの悠の意向で、病院を辞めた翌日から会社に行くことになった。
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