ねぇ、好き。上


あたしの家は、チャイムを押さないと中には入れてもらえない…



ピンポーン…



ピンポーン…


『桃花!?何してたのっ?遅いわ』

幹也くんがいるのにまだわからないのかな?



幹也くんは、あたしたちの家のことを何も知らない。


例え、凛と親友だとしても…。


「…はい。ごめんなさいお母様…」


『そんなことは聞いてないわ。何してたのか言いなさい』


「えっと…彼氏と…お話してました」


『彼氏!?誰がアンタと付き合うって言うのよ!?嘘つくのはおやめなさい』

「嘘なんかじゃありません」

『アンタなんか可愛くもないくせに、彼氏だなんて!!』






ポタ…



あたしの頬を伝う涙…。



可愛くもない…?


知ってる…。

だけど、お母様にそんなこと言われるなんて…


悲しい。


血の繋がっている親子なのに…



『ちょっと、聞いてるの!?』


「…」


泣いちゃダメ。

また、ビンタされる…。



『ちょっと、待ってなさい』


こっちに来る…!!



どうしよう!!






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