いつも桜が綺麗です。
「なんだか、緊張しちゃうな・・・・」

もう、歳三さんはいないのに。

あの頃のままの歳三さんが座っている気がして。

私はふうっと息を吐く。

こんこん

「歳三さん。失礼します」

もちろん返事はない。

わたしは苦笑いをこぼしながら部屋へと入る。

障子を開けた瞬間懐かしいにおいがした。

歳三さんのにおいだ・・・

「当り前よね、歳三さんが使っていたお部屋なんだもの」

そう独り言をつぶやき私は掃除を開始する。

すべての品物が歳三さんを思い出させる。

笑顔、困った顔、怒った顔、呆れた顔、苦笑い、照れた顔・・・

まるで昨日のように思い出される。

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