『はちみつゆず~キミと過ごした時間~』

『まさか…ね。』

検査をした後、
結果がでるあいだ、
産婦人科の待合室でまっていた。

周りは、妊婦さんの人ばかり。

私は、実年齢よりも
下に見られるせいもあって、

『あの子、ずいぶん若いのにね…。』

と、明らかに
私のほうを向いて話している。

だから、ずっと下を向いていた。

『神崎さん。』

名前を呼ばれて診察室に入る。

『おめでとうございます。』

先生が優しい笑顔で言った。

『妊娠3ヶ月です。』

『え…?』
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