コンプレックスな関係

その格好はないわね。


私の服装を一刀両断した遥は、私を引きずって、雑誌でも頻繁に取り上げられてるセレクトショップに入った。


「莉生はお洒落だけど、全体的にボーイッシュ過ぎなのよね」


遥はブツブツ呟きながら、次々に洋服を手に取っていく。


「遥ー。もういいって。私、合コンとか苦手だし」


ダメ元で抗議してみる。


「行かないとか言うなら、友達の縁切るからね」


愛想の欠片も感じられない、冷たい声で言われる。


それ、脅迫だから……。


スイッチの入った遥は、私の抗議なんて物ともしない。


「良し。これ試着して来て!」


自信たっぷりな表情の遥から渡されたのは、春らしいパステルカラーのカットソーと、ひらひらしたミニスカート。


……無理。絶対似合わない自信がある。


渡された服を手に、硬直してしまう。


「さっさと着る!あ、すいませーん。これ試着お願いしまぁす」


近場に居た店員に声を掛けた遥と、寄ってきた店員によって、試着室に押し込まれた。


なんてこんなことになるのよ……。


ってか、この服高っ!


可愛いけど、値段は可愛くない。


遥のばかっ‼





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