オートフォーカス
第5章 目指すもの

1.篤希ならいいかな

季節は春だ。

講義一覧を睨みながら組み立てた履修届も受理され、篤希たちの大学生活2年めが始まった。

自分で選んで作ったとはいえ講義の多さにさっそく文句が出ている学生も少なくない。

2年なんてまだまだ単位取ってなんぼの位置なのだ、楽になるのは3年からだと先輩からは聞いている。

しかし3年になっても人によってはそうでない場合もあるのだ。

「はい、終わります。」

スピーカーからマイクをきる音が響いた。

まだ平等に多くを受講する1、2年が集まる講義が終わり、教室はがらりと空気を変える。

「あー眠い…。」

講義が終わった瞬間に裕二は両手を前に投げ出して机に突っ伏した。

講義中ずっと眠気と戦っていたのだろう、左手は常に拳を握って自分に喝を入れ続けていたようだ。

顔にも力をいれていたのだろう、頬の筋肉を労るように手で円を描きながらほぐしていた。

この講義は教授の目も厳しく寝ていようものなら容赦なく指導が入り厳しく罰せられる。

そうでなくても難しい内容はノートを写したところでいまいち理解ができないから自分で話を聞いて理解しながら進めていくしかないのだ。

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