オートフォーカス
自分にはない、欲しかったものを持っている輝きだった。

無難に生きてきた自分の進路が霞んで見える。

この大学を選んだのはなるべく偏差値の高い場所が良かったから、経営学部を選んだのは先に道がいくらでもあるような気がしたから。

実際学び始めてその面白さに触れた時は心底安心したのを覚えている。

同じような気持ちの人間は周りにもたくさんいたが、みんなどこか行く末を見つめているような気がした。

あんなに強い眼差しを持った人間を見るのは高校の時以来だ。

なりたいものがある人はその道に行く為に学校を選んでいく、それぞれの進路希望を出したあの時以来だった。

まさかこんなところでまた味わうなんて。

「夢、か。」

呟きが重力に従って足元に落ちる。

何度同じような言葉を呟いただろう、何度声にして後悔しただろう。

でも口に出さずにはいられなかった。

もう胸の内に留めることが出来なくて苦しいのだ。

でもどうすることも出来ない、一人になると頭の中がその事で支配されていくのだ。

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