緋~隠された恋情
「なら、いっそ俺にするか?

 別にいいぞ、いま特定の女いないし、

 何より、

 お前の体知ってんのは俺だけだろ?

 俺そう言うのに弱いんだよね。」


灰皿にギュッと煙草を押しつけて、

頬づえをついて、

くくくっと笑う。


「高校生の私の初めてを無理やり奪ったくせに。」


「お前が無防備だったからだろ。」


「は?私が悪いの?」


「だから、責任取るって、

 俺にしろよ。

 一生可愛がってやるぜ。」




「冗談でしょ。

 結構です。


 それに、

 先生が本気じゃないことなんて、

 わかってるから。


 私が、先生を愛さないってわかってるから、

 面倒じゃないから抱くのでしょう?」


愛の無いセックスは、

平にとって単なるスポーツにすぎなくて、

快楽を得る手段でしかないのだと思う。

時折つけてくる誰かの香水は、

私の知らない誰かと楽しくスポーツをしてきたために、

つけてきたのだろう。

平の素行にどうこう言う権利はないけど、

よく体力があるなと感心してしまう。


SEXのために体力づくりでもしてるのかな?








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