緋~隠された恋情
っつ…

腕の引っ張られる違和感

と体中の痛みで目が覚めた。


今日は一体何日だろう

ここに繋がれたまま何日たったのだろう。



バスルームの水道に手錠でつながれている。


カシカシと金属の擦れる

耳障りな音


「シオン…」

俺の呼びかけに反応するように、


カチャリとバスルームのドアが空いた。


「いつまでこんなこと続けるつもりなんだ。」

俺の言葉に薄笑いを浮かべて


「一生」

と答えた。


白いシャツ一枚のシオンはするりと俺の首に

手を回して、


「もう、終わりにしたいの?


 いいよ殺してあげる。


 一緒に逝こう?」


俺が返事の代わりにシオンを見つめると

顔を歪めて

ふっと笑うと、


「それができたら、こんなことしないよ。」


そう言って

悲しそうに笑い

そのまま後ろから手をまわした。

するりと下ろされた手は巻きつくように

俺の自身を覆い、動かし始めた。


「う……」

刺激を受けて硬くなっていく自分に、

悔しくて、

目じりに涙が浮かぶ。

「シオンやめ……」

俺の呼びかけにクシャリと笑って

スッと手を離し、


「お腹すいたろ?

 カルボナーラ作るよ。

 徹平僕の作るカルボナーラ好きだったよね。」

そう言い残すと、

バスルームのドアを開けたまま出て行った。

中途半端に興奮して硬くなった俺は、

その場に残され、

屈辱的な嫌悪感にさいなまれる。



< 54 / 238 >

この作品をシェア

pagetop