鬼畜店長

おまけのコソコソ話



「いちいちうるさい馬鹿」

出来立てのパスタをもって騒がしく4番テーブルに向かった馬鹿を送り出し、目の前のイケメン野郎に目を向ける。



「お前な、マジで俺にケンカ売ってるわけ?」


先ほどと同じ問いかけをすると、イケメンがニヤリと笑った。

悪そうな顔なのに様になるのはイケメンだからなのか。すみやかに滅びろ。



「店長さんが他の女とイチャついてる時くらいいいじゃないですかー。さっきの贈り物、今超人気なチョコレート店の袋でしたよね?」


「あのな、あれは向こうが勝手に渡してくるだけで、俺が望んでるわけじゃねぇよ」


「でも受け取ったら同罪じゃないっすか?」


「チョコレートに罪はない」


「…ホント、あいつ相手じゃなかったら普通に怒られてると思いますよ?」


「いいんだよ。あいつも一緒になって食ってんだから」


「あー…なるほど。でも、ちゃんと構ってあげないとあんな奴でも悲しむんじゃないですか?」


「お前にアドバイスもらうのって、思った以上にムカつくな」


「そうですか?じゃあこれからもあいつのことでお困りのことがあればいくらでもオレに聞いてくださいね!」


「うーわ、ムカつく。その爽やかな感じすっげームカつく」




そのすぐ後に笑顔で「内緒話ですか?」とアホが首を突っ込んできたため、コソコソ話だと言って話をそらした。

そんなんで簡単に話をそらされてくれる単純馬鹿に感謝だ。



とりあえず、明日のバレンタインは、いつもの分も込めて目一杯構ってやることにしよう。




END






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