鬼畜店長


「で、結局なにやったんだよ?」



とっても無駄な攻防だったな。

と後悔する時間も無駄なので素直に答えてあげることにしよう。




「タイピンです。無難に。」


「ふーん。もっとなんかぶっ飛んだものかと思った。お前の父ちゃんって何やってんだ仕事。」


「…ぶっ飛んだってなんてこというんすか。お父さんは銀行員やってますよ。真面目が取り柄のお堅い人なんっすよ。」



「おいおい。冗談もほどほどにしろよ。」


「…事実ですが何か問題でも?」


「お前の父親がお堅いわけねぇだろ。」


「なにを根拠に、そんな自信満々で答えられるんすか。てか普通に失礼!あたしとお父さんに失礼!」


「だって、お前、父親の背中追いかけてお笑いの道に進もうと思ってんだろ?」


「店長の中のあたしはいつまでお笑い目指してんですか。だいぶ初期から言い続けてますけど、お笑いは目指してないですから。」


「お前な、俺にまで強がんなくていいんだぞ?お笑いの世界、いいじゃねぇか。人を笑わせることができるって、すげえ仕事だと思うぞ?お父さんの背中、力いっぱい追いかけろよ!」


「店長…っ!そしたらあたし超まじめに銀行員になりますわ。」


「お前ノリ悪いぞ。」


「ここでノリを求められるとは思いませんでしたよ。」




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