鬼畜店長
実家に帰らせていただきます。

「店長、今年こそは帰らせていただきますからね!」


「あ?なんの話しだ?」


「お盆ですよ!実家に帰らせていただきます!」



さて、なんであたしがこんな離婚直前の夫婦みたいなセリフを店長に突きつけているかと言いますと、もうお盆がそこまで迫っているからです。



このなんだか良さげなバーのシフトは二週間毎に出されるのだが、なぜかお盆の部分が空白になっていた。


これでは急遽シフト入れと言われる可能性大。



先手を打っておかねばと思い、店長がなにかいう前にこのセリフを突きつけるに至った。




「は?盆休みちゃんといれといただろ?てかこの店自体盆は開けないぞ?」



「え?そうなんっすか?」



なんということだ!

盆休みがあるだと?!


この国民の祝日まるっと無視して今まで経営を続けてきたこの店に盆休みが?!




「なんだよ…お前盆も働く気だったの?どんだけ仕事好きなの?軽く引くわ。」



「なんでこのタイミングでけなされたのかわからん。」





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