優子の恋



久しぶりの部長との
キスは私を狂わせた。

私はいつの間にか
首に腕を回して
部長のキス求めていた。

竹下くんのことは
頭の隅にも無くて
必死で舌を動かした。


「ユウコ……好きだ」

「ぶちょー……」


"私も"って言う寸前に
我に返った。


「ダメダメ!何、流されてるの!私!!」

「は?」

「部長もご存じの通り私には好きな人がいます、なので部長の気持ちには応えられません、すみませんでした」


深々と頭を下げて
立ち去ろうとしたけど
部長に出口を塞がれた。


「そんなんで許されると思ってんの?」


怒りを眉間に寄せて
腕を組んで立つ姿は
恐ろしく怖かった。


「許してください……」

「土下座」

「はい?」

「土下座しろよ」



冷たい声が
頭上に降り注がれる



< 12 / 35 >

この作品をシェア

pagetop