溺愛シンデレラ~キミとHappyWedding~
「加西さんキミは社内では地味な方だ。もともと、俺の付き合って来た女性は皆、華やかな女ばかりで、今までの好みのタイプとは全く違う。俺はフランスの地でホームシックにかかって、そんな俺の支えになったのが加西さんの声だった」



「・・・」



「…声から好きなったのは事実。クリスマスデート…ドタキャンされて…嫌いになりかけたのも事実。でも、風邪を引いた俺を気遣ったり…同僚のミスを庇うキミの優しさに惹かれた。今のキミは地味だけど。キミが貪欲に美しさを求めれば、もっと綺麗になれると思う。キミはダイヤの原石みたいな人だ」



私はダイヤの原石?


樋口さん、言葉を選んでるけど本音を語っている。


「俺はキミが好きだ…」


樋口さんは茫然と立ち尽くす私に近づいて来た。


そして、私の頬を右手で軽く撫でるように触れて、唇を重ねて来た。


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