愛を知る日まで
けれど、少ししてその肩が再び震え始めてまた泣き出したのが分かった。
…言い過ぎたかな。でも、本当のコトだし。
けど、いつまでも肩を震わせ続ける姿を見て、なんだかバツの悪くなった俺は辿々しく口を開く。
「…あー…でも、それでもアンタがガキに優しくあろうと頑張ってるトコロは、俺、結構好きだよ。
不幸だって決めつけても、それをどうにかしてやろうってアンタなりに頑張ってるのは、すげーいいと思うし、そーいうのが嬉しいガキもいると思う。」
…こういうのフォローって言うのかな。俺、なんでコイツに気ぃ使ってんだろ。
まあ、目の前で女に泣かれるのは気分悪いししょうがねえか。
ーって、せっかく俺がここまで気を使ってやったのに。
どういうワケか、三島リエは更に肩を震わし出した。
ああ、もうメンドクセエ!!
俺は堪らずその場から逃げ出すコトを決めてドアに手を掛けた。
「…さっきはキツい言い方して悪かった、だからもう泣くな。俺帰るからな。」
そう言い捨てて俺はスタッフルームを飛び出した。