愛を知る日まで



けれど、少ししてその肩が再び震え始めてまた泣き出したのが分かった。


…言い過ぎたかな。でも、本当のコトだし。


けど、いつまでも肩を震わせ続ける姿を見て、なんだかバツの悪くなった俺は辿々しく口を開く。


「…あー…でも、それでもアンタがガキに優しくあろうと頑張ってるトコロは、俺、結構好きだよ。

不幸だって決めつけても、それをどうにかしてやろうってアンタなりに頑張ってるのは、すげーいいと思うし、そーいうのが嬉しいガキもいると思う。」


…こういうのフォローって言うのかな。俺、なんでコイツに気ぃ使ってんだろ。


まあ、目の前で女に泣かれるのは気分悪いししょうがねえか。



ーって、せっかく俺がここまで気を使ってやったのに。

どういうワケか、三島リエは更に肩を震わし出した。



ああ、もうメンドクセエ!!


俺は堪らずその場から逃げ出すコトを決めてドアに手を掛けた。



「…さっきはキツい言い方して悪かった、だからもう泣くな。俺帰るからな。」


そう言い捨てて俺はスタッフルームを飛び出した。







< 175 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop