愛を知る日まで
しばらくして俺はまたバイトを探した。
さすがにもう接客は懲り懲りだったので今度は倉庫のピッキングと云うのを選んだ。
手順さえ覚えれば後は単純な力仕事で、俺にとってはコンビニより断然楽な作業だった。
おまけに時給も良かったので俺は毎週末をそこで過ごした。
男ばっかでむさ苦しい場所だったがその分、煩わしい人間関係とやらも無くて実に楽だった。
そんな風に割と穏やかな日を過ごしていたからだろうか。
それともバイト代が入ってしょっちゅう新しいゲームソフトを買ってたせいだろうか。
施設のガキが時々俺になつくようになった。
目的はゲームだったり宿題を教えてもらうコトだったり、中には喧嘩の仕方を教えてなんてヤツもいた。
俺は別に面倒見がいいワケでもなけりゃ優しいお兄さんでもないので、めんどくさがって大抵は適当にあしらった。
それでもまとわりついてくるガキには気が向いた時だけ構ってやった。
荒れてた頃の俺を知ってる同年代や年の近い奴等は相変わらず俺を敬遠してたので寄ってくるのはチビばっかりだったが。
面倒くせえなあと思いながらも、その状況に俺がイラつく事はあまり無かった。