ほろ苦いスイーツ。
転校

・・・私の今の状況・・・
先生に紹介され黒板に名前を書いている。
そこまではいいのだが・・・
クラスの人達は全く先生や私の話は聞いていなかった。
中には紙ヒコーキを飛ばしている男子まで見える。

「えぇ~・・・中山 璃奈さんだ。仲良くするように~・・・はぁ」
先生までが溜息を漏らす。

「えっと、席は・・・八田の横が空いてるな。仲良くしてやれよ。」
先生がある男子を指差した。

「へ~い。」
面倒くさそうな返事が返ってきた。

この男・・・八田 智希が私の運命を変えた張本人。


私は騒がしい教室の中を席、目指して歩いた。
途中、なんか話し掛けられたりしたが私はニコッと笑って通り過ぎた。

そして、私は隣の八田に微笑みかけ席に座った。
すると、八田は椅子から転げ落ちそうになりながらも私のほうに身を乗り出した。

「俺、八田 智希!!はった ともき!ヨロシク!」
そんな何度も言わなくてもわかるのに
私は少し苦笑い気味で言った。
「私は、中山 璃奈。こちらこそよろしくね。」

八田は私に笑顔を見せて他の男子と話し出した。

私はその後ぐるりと教室の中を見渡す。
ホームルームが終わり先生が教室から出て行くところだった。

こう見るとみんな個性あるなぁこのクラス…

かなりのガリ勉。

まだ、一時間目もやっていないのに弁当食べてる人。

化粧してる人。

歩き回って喋ってる人。

ゲーム・携帯いじってる人。

結構、荒れてるなぁ~このクラス。

でも、前の学校よりは過ごしやすそう。

私の過去…
泣きたくても泣けなかったあの頃。



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