青いブレスレット
「水原くん、前から聞きたかったことがあるんだけど」


雪川さんが唐突に言った。


「え!?な、なに!?」



雪川さんは俺の顔をじーっと見た。



「水原くんて、どうしてわたしのこと好きなの?」

「………へ?」



突拍子もない質問。

きょとんとしてしまった。



「そ、そんないきなりどうしたの?」

「だってさ、前からずっと不思議だったんだもん。水原くんやっぱりモテるみたいだし、なんでわたしなんか選んだんだろうって。それに、なんでわたしのこと知ってたのかなーって」



………雪川さんのことを好きになった頃を思い出してみる。

だめだ、恥ずかしい………。



「聞きたいな、だめ?」



雪川さんに頼まれて、断れるわけがない。

でも………



「話、長くなるよ?」

「いいよ!時間はいっぱいあるし!」

「…9月ごろだったかな」

俺は当時のことを細かく思い出して、雪川さんに話し始めた。
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