青いブレスレット
「あ、水原くん」


雪川さんはまたこっちを向いた。


「どうしたの?」

「あのね、水原くんに前からお願いしたいことがあったの」



俺にお願いしたいこと…?

想像つかない。


なんだろう……?



いろいろ考えながら待っていると、お願いは拍子抜けするものだった。



「水原くんの髪、触ってみてもいい?」



…へ?


「なんで…?」

「その…初めて会ったときから、キレイな黒髪だなあって思ってて…」


自分の髪の毛のことなんてあんまり気にしたことないけど、雪川さん、そんな風に思っててくれてたんだ…。
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