青いブレスレット
今日は1日が長い。



学校は午前中で終わるはずなのに、いつもより長く感じる。



「えーっ!俺!?」


HRの時間。

西野くんが大声を出して立ち上がる。



みんなからは拍手やひやかす声。



よく聞いてなかったけど、黒板に書いてあるのを見ると、どうやら球技大会の実行委員に西野くんが選ばれたようだ。



三年生が家庭学習期間に入ったあとの2月中旬。

一、二年生で球技大会がある。


種目はサッカー、ソフトボール、バスケットボール、バレー、テニス、ドッジボール、って黒板に書いてある。

それぞれの種目に各クラスから出れる男子、女子の人数が決まっていて、みんな好きな種目を選んで出る。

全種目で得た合計ポイントが一番多かったクラスが優勝。


みんな一種目は強制。

わたしは運動得意じゃないから一種目しか出ないけど、運動が得意な人は3つも4つも出たりする。

そういう人が、MVPに選ばれたりする。



種目決めの時間でみんな席を立つ。


「紗奈ちゃん、一緒にテニス出ようよ」

千夏ちゃんに声をかけられる。

「ほんと!?そうしよ!」


希望も通って、わたしと千夏ちゃんはテニスのダブルスでペアで出ることになった。

理香ちゃんはバスケとバレーに出るらしい。


理香ちゃんは運動できるから、二種目もすごいなーと思った。


黒板に種目名が書いてあって、その下にそれぞれ出る生徒の名前が書いてある。


お、西野くん、サッカーにソフトボールにドッジボールか。

活躍するなあ。


ふと、水原くんの名前を見てみると………


え?全部???



「西野!何勝手に人の名前全部書いてんだよ!」

「実行委員の権限だ!クラスに貢献したまえ!」


みんなも、水原がんばれとか、水原くんすごいとか言ってる。



もう関係ないのに。


改めて、自分と水原くんの差を感じて、胸がギュッと締まる感じがした。
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