青いブレスレット

ドッジボール

午前の部が終わって、教室に戻って、千夏ちゃんと理香ちゃんと3人でお弁当を食べている時、西野くんが来た。



「千夏、雪川、代打でドッジボール出てくんね?」


「え?」


西野くんは困った顔をしている。



「午前のバレー女子の部が決着付かなくて、午後にもやるらしくてさ。バレーとドッジボールかぶってる子が2人いたから、ドッジボール女の子が2人足りないんだよ。その二人が戻ってくるまででいいから、頼む!」



西野くんが頭を下げる。


「あたしはいいよ。紗奈ちゃんは?」

「へっ!?…う、うん!いいよ!」

「まじで!助かった、さんきゅー!!」


西野くんは嬉しそうに走っていった。



…どうしよう。



わたしはドッジボールがめちゃくちゃ苦手。




ボールを取るのなんてもちろんできないし、避けるのもうまくできない。


これじゃ、クラスの足を引っ張っちゃう…。



「…紗奈、大丈夫?」


よっぽど不安そうな顔をしていたのか、理香ちゃんが聞いてくる。



「う、うん!大丈夫だよ!」



とりあえず全力で、ボールから逃げようと決めた。

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