Fairy-tale Assassinate
王子サマがいなくなってしまうと急に取り残されたように気分が萎んだ。


ユノさんに手伝ってもらいながらなんとか着替えた。

パーティー会場に戻るとエルヴィス様はまた、既に女性たちに囲まれていた。


そこに、私の居場所はない。


当然のことなのに、妙に落ち込んだ気分になって。

あれ、おかしいな…
そもそも暗殺するつもりで来たのに。


うつむいた私の周りに、キラキラと光る何か。

「え?」

紛れもなく、それはさっきの部屋で見た光ったもの。

チカリチカリ、

瞬きながら、飛んでいく。


「ま、待って!!」


導くように飛んでいく光。
私は懸命に追いかけて、屋敷の正面玄関を大きく開いた。


「わぁ…!」

世界が一変していた。


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