警察官になりたいです!
学校に着くと、予鈴が鳴った。

毎朝の読書の時間、私は『警察官になる方法』を読んでいる。


もう色も変わり、年季が入っている。



「毎日それ読んでるよね」

斜め前の席の莉咲が声をかけてきた。


「あぁ、なんか、懐かしくて…手放せないの」


「あっ。ごめん。そういうつもりじゃ…」


「いいの!私は、強くなったから!」


「ごめんね…」


莉咲は申し訳なさそうにして、読書をしはじめた。


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