Come Back Anytime
 緊張の瞬間が訪れた。

 前の者がクジを引き終え、箱が潤のもとへ回ってきた。
 潤は、箱の中から一枚の紙をつかむと、勢いよく広げた。
 そして、書かれてある数字を眺めると、すぐさま黒板を確認する。

 位置は窓側の後方。
 なかなか悪くない。
 問題は隣に座るヤツだが、現段階ではまだわからない。

 とにかくあとは、最近気になっているあの娘が来ることだけを祈り、全員が引き終わるのを待つだけ。

 そして五分後。

「またアンタの隣とかサイテー」

 所変われど、隣にはまた未由の姿があった。
 確率なんていうものがアテにならない顕著な例と言えた。
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