私だけの王子サマ。

地面に落ちた教材を拾っていると上から低い声が聞こえた。


「え…?」

顔をあげると、そこには眼鏡をかけた、いかにも真面目な男の子が。


…しかも手には私が落とした教材が差しのばされていた。

「気をつけて」


ふっと笑うその男の子。


…あ、あの人って…。

たしか…高倉くんの友達の…




新谷くん。
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