president command


「………ふぁぁっ。んー、新くんおはよう」



「おはよう」



「あーあ。今日は起こしてあげようと思ってたのに、また先こされちゃった」



アゲハが口をとがらせる




「花嫁にはまだまだ近づけないな?」



コーヒーをすすりながら、アゲハの方をちらりと見る。




「だから花嫁は秘書さんでしょ?」


「さぁ」



「新くんって他の社長みたいにやさしくなーい」



「夜はうんと優しいだろ?」

わざと



「激しいの間違い?」


アゲハもわざと。




「……それよりさー、候補者3人いるんでしょー?もう1人の子とはどうなの?」


「気になるのか?」


「うーん。気にしたいかな」



「ほら、」



カバンから茶封筒を取り出す



「………村瀬ひよ?……なんだか可愛い名前の子だね」


ざっと見てすぐに資料を封筒にしまう



今ので把握したのか?




「アゲハと秘書の玲奈ちゃんとヒヨコちゃんね、その3人が新くんを争っているわけだ♪」



「なんだよ」



「別に?そういう恋愛もありかなって思ったの」





上目のアゲハ



「あっそ」



かわす俺






これから本当の戦いが、アゲハが本気になるかもしれない



そんな気がした


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