ロマンチックランデブー

「レオ」


「はい?」


あんまり君が悲しそうな顔するから

呼んでしまった。



「…あの、」

「何?」


「…この手、放してもらっても?」



呼んでしまったら

レオが私を壁際におしやり



おまけにレオの手が私の顔を横に振り向かせまいと頭を押さえる



ていうか触られてるだけ

力はいってないから。





「俺のスイッチいれちゃっといて拒否するの?」


「意味わかりません」


「じゃぁよーくわかるように説明してあげようか?」

「え」



「玲奈が俺のことレオって呼んだ瞬間に、俺の中の男のスイッチが押されたわけ。まぁ感覚的にこうびびっとくるアレですよ」


「アレって何ですか?」

「そこつっこむの?」

「だってそこだけわからないから」



「…うーん、俺も説明しずらいなぁ。そこは」


「え」


「とにかくね、俺は玲奈といろいろしたくなっちゃったわけ」


「は???」



「男の子の事情ってやつです」


「レオさん子って使える年代じゃないでしょ!!」



「やっぱ玲奈はそこつっこむんだよね」



といってレオは笑った。

いつもの


あの優しく見せる微笑みだった。




< 82 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop