どうして私を選んだの?【完】
「あのさ、優芽…オレ」
涼太は何故か、今まで私に見せたこともないような真剣な表情でそう呟き始める。
「…?」
「…っ、ちょっと話があるからさ、こっち来て!!」
顔を赤くして涼太は、私の手を掴むと踵をかえして走り出した。
「え?ちょっと涼太!?」
驚いて目を見張る私にお構い無しで私を引きずるように走る涼太。
そんな私たちの後ろからは、
「あら〜、恥ずかしがらなくてもいいのに!私たちのことは気にしないでいいのよ〜」
そう叫ぶ、亜衣子ちゃんの声が響いていた。