どうして私を選んだの?【完】
穴があったら入りたいとは、まさにこのこと。
まさか、昨日の女の人が遥斗くんのお姉さんだなんて思いもよらず…。
大変な勘違いをしてしまったみたいだ。
「す、すみませんでした、失礼します!」
私は、あまりの恥ずかしさから思わず、遥斗くんのお姉さん…幸さんにそう言い放つと、踵を返してもと来た道を戻ろうとしていた。
が、
「遥斗のお見舞いに来てくれたんでしょ?喜ぶと思うから会っていってあげて?」
そう言って、素敵な笑顔を見せる幸さんに…
私は、頷くことしかできないのだった。