隣のマネージャーさん。


「秀さんと〜、一緒に〜♪」

“秀[シュウ]さん”は父さんの名前で、母さんは父さんをそう呼ぶ。

父さんも母さんが大好きだけど、母さんはよっぽど父さんと一緒に試合を観に行けることが嬉しいらしい。

爽ちゃんに悪影響を及ぼさなければいいけど……

できた朝食を机に並べながら鼻歌を歌う母さんの横顔は、少しだけ結愛に似ていた。

まぁ……母さんより結愛の方がいくらかしっかりしていると思うけど。

「あ、今結愛ちゃんのこと考えてたでしょ‼︎」
「っ!!」
「当たった♪もう、そういうところまで秀さんに似てるんだからぁ♪」
「……うるせぇ…」

ニコニコして俺を見る母さん。

あー……

顔に出るくらい、俺って結愛のこと好きなのか…なんて実感した。

朝食を食べながらずっと話しかけてくる母さんに軽く返事をしながら食べ終える。

すぐに歯磨きをして、身支度を整える。

すると、玄関を開ける音がして、それを聞いてからすぐに階段を降りる。



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