はじめてを、おしえて。
キミがおしえてくれたこと


「おお~、やっぱ油絵になると違うなー。

俺ってこんなにかっこいいっけ?」



狼男はまじまじとボクの絵を眺めます。



「はい、かっこいいです」



後で「けっ」という部員の声が聞こえました。


おっといけない、空気を読まなければ。


ボクはいっくんとともに、すぐ美術部のブースもあとにしました。



「なんだよ、もう少しいいだろ」


「文化祭終わったら、持って帰りますから。

そうしたら、いくらでも見せて差し上げますよ」


「マジ?じゃあ、もし良かったらもらえない?」


「えっ?」



こんな素人が描いた油彩を?


そんなに大きなキャンパスではないといえど、あの6畳の部屋にはちょっと邪魔なのでは……


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