俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



 ――キス。

 それは、いつもの龍二と違って、強引で激しいキス。

 激しくて、息をする間もないくらいで、龍二が「男」だって改めて感じさせられるキス。

 あの人を思い出させるキスだった。

 ――ドサッ。

 ベッドが軋む音がして、私はベッドの上に押し倒されていた。

 キスをしたまま、服の中に龍二が手を入れてくる。

 付き合ってるんだから、自然なこと。

 わかっているのに、あの人のことが頭の中によみがえってくる。

 体を触る手も

 髪に通される指の感覚も

「美紀、いい?」

 名前を呼ぶ声も

 抱きしめる強さも

 全てがあの人へ繋がって行く。

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