andante
音楽室の前までたどり着くと、わたしは呼吸を整えてドアに手をかける。
開こう、とその時だった。
「ずっと前からあたし、篠原くんの事好きなんだ。」
わたしは思わず手を引っ込めた。
これって……告白?
立ち聞きするつもりなんてないのにわたしは足が動かない。
なんでかは自分が一番よくわかってる。
わたしだって、ずっと、ずっと前から優ちゃんが好きだから。
だから優ちゃんがなんて答えるのか気にならないわけない。